菊花石物語

大阪アドプトリバー千代崎の風景 空と川

大阪アドプトリバー千代崎の風景 空と川

西区のほぼ中央を南北に流れる木津川の河川敷が平成17年、水の都大阪再生計画の一環として大阪府により遊歩道と船着き場が整備されました。都市の子供たちに自然のふれあいができる豊かな場所づくりとして、千代崎連合振興町会が府のアドプトリバープログラムに参加して緑化活動をはじめました。

アドプト活動を始めて10年目を迎えました。毎日の活動が充実しています。それは、広い川と空が見せる自然の変化が多彩であったからです。そして、小さかった蜜柑や杏の苗木が成長して豊かさと優しさを生み出してきたのです。

左・尻無川|中央・木津川|右・道頓堀川|大阪の歴史がつくり残した、広い川に広い空が広がり、都市の優しさをつくっている。

2007年、春の昼下り 川は桜川になり、光がきらめくので 空を見上げると幻日があらわれていました。この時から、残すべき都市の記録として風景を写したのです。

毎年、大川の桜が散ると、花ビラが海までゆっくり流れていきます。

幻日は太陽が細かい氷の粒にあたって出来る光の輪。空の素晴らしさを感じさせたのです。

朝日は川面を幻灯のように照らし、一日がはじまります。

木津川から西に流れる尻無川は 晴れても曇りでも光のフィナーレを見せてくれます。

2007

2015

北は中之島と梅田を望む。大きく変貌する街がある。

2007

2015

南は木津川の下流に港を望む空があります。ドームの風景が大きく変わりました。

千代崎橋の辺りは汽水域です。大潮の日の干潮と満潮です。

川の変化は見飽きない。毎日、タグボートやポンポン船が見事な波紋を残していきます。

雨は潤い。街を美しくする。川面が心地よい雨音のリズムを描いています。

風わたる川面。何気ない中に捜しているものがある。

夏至の頃 風が凪ぐと川は魔法の鏡となる。

夕ぐれ時、空の美しさはオパール、川はブラックオパールの輝き。

冬至の日 朝日は淡く家並みを照らします。

日があがると南に傾き、川面を照らします。

初夏から湧き上がる大地の力をみせてくれるのです。こうした日は気分が良い。

見通しが良く、遠くから雨が来るぞーと聞こえます。

都市を包み込むウロコ雲、いのちの躍動があります。

秋から冬にかけ、雲は高く上がります。雲の鼻をくるくる回しながら駆け抜けます。

冬の空 海中で波を見上げて見た太陽。都市の熱気が作りだしたのでしょうか。

雷雲が低く渦を巻き込みながら走る。この雲を見て、
宗達や光琳は風神、雷神をイメージしたのでしょうか。

川を蒼く染める夕空に飛行機雲が予期せぬ線をいれた。

鵜は川を伝い飛来するのか、鵜が来ると川がいっぺんに賑やかになります。

毎年、朝早くに数えきれない雁の群れと出会います。

雪雲からの木漏れ陽 一瞬雲が割れて天地がきらめきます。

平成26年のバレンタインは、雪をいただきました。

川には鯉のぼりが似合います。毎年子供の日が近づくと、趣向をかえて鯉のぼりをあげています。

2006年 最初の五月、大きな鯉のぼりを揚げて遠足や子育て行事をしました。

2008年は手づくりの鯉のぼりをあげました。

2012年 金環日蝕の朝 みんな太陽を見上ました。

2015年 子供が来ると紐を緩めて鯉を泳がします。手と肌で動きを感じています。

2009年この年、水都大阪2009が開催されました。アドプトリバー千代崎も「川には空と緑と石がある」をテーマに参加しました。子ども達も関わりさせたく、幼稚園や小学校に絵をお願いして吹き流しを作りました。

園児達が描いた絵が風を孕み、泳ぐ勇姿をみんなに見せたいのです。

朝日と風が生駒から来ます。朝日を吸い込み躍動します。自然を感じることが、水都大阪のテーマなのです。

珍しく南風が吹く日、雲も吹き流しもみんな南を向いた。

昼下がり、赤い歩道で見飽きぬダンスをはじめる。

台風のあと、吹き流しは定まりなき動きをする。

日が落ちると風は北から。月も出て軽やかに踊りだす。

2009年、殺風景な護岸をアートで飾ろうと、橋下知事が発案して全国からの公募で描いた水辺の怪獣達。怪獣とリバーの緑が木津川の風景に溶け込んでいます。

木津川の護岸、約1キロに渡り絵が描かれています。

木津川に入ると怪獣とリバーの木々がおもてなしをします。

ここにくると怪獣達に挨拶をしていきます。

区内の中学校美術クラブの力作です。

児童が描いた作品が川面にはえます。

海坊主や怪獣くん 雨の日にはイキイキしています。

夜、ライトが灯るので、川が賑やかです。

大阪には、大阪の歴史が残した木津川、堂島川・土佐堀川、東横堀川、道頓堀川を結ぶ川の回廊があります。太閤さんは、お城の守りとして東横堀川をつくり、江戸時代に多くの堀がつくられ、大坂が繁栄しました。今は、市民の憩いの水辺として整備されています。

大きなあひる君 お祭りが近づくと木津川をダクボートに引かれて中之島や八軒屋浜に行くのです。

天神祭りの日 どんどこ船が鐘と太鼓をならして木津川を上がります。
手を振ると祝って三度と大阪〆がかえってきます。

ながらく途絶えていた御霊神社の船渡行 猿田彦や若武者も勇ましく対岸の行宮に遙拝に来ました。

川を周遊する観光船。船が通ると、手をふって挨拶します。

ポンポン船。毎年大阪ドーム千代崎港からツアーが出ます。のんびりと川の風景を楽しみます。

休日にはカヌーで木津川をゆっくりと下っていきます。

夕暮れ、川を舞台に町が華やいでいます。

お月見の頃、夕日とビルがリバーで光りのショーをみせるのです。

月夜 川は空よりも闇を深め家並みを映しています。